誰かに届く言葉は、なぜ「ふざけない」必要があるのか?
「ふざけないで文章を書くって、どうすればいいの?」
X(旧Twitter)で山本りとさんが投げかけたこの問いは、文章に悩む多くの人に響いたことでしょう。文章にユーモアや軽さを取り入れるのは悪いことではありません。でも、時には「真面目」に向き合うことが必要な場面もある。たとえば、商品レビュー、自己紹介、大事な想いを伝えたいとき──その時こそ、「ふざけない文章」の書き方を知っておくべきです。
今回は、ふざけずに、でも堅苦しくならずに文章を書くための実践的な方法をご紹介します。
ゴールを一行に固定する──脱線を防ぐ最初の一歩
まず大切なのは、「この文章で何を伝えたいのか」を一行で明文化すること。例えば、
このブログでは、ふざけずに伝える文章のコツを紹介します。
というように、要点を一文に固定しておく。紙に書いてパソコンの前に貼るのもおすすめです。書いているうちに余計なギャグや比喩が入りそうになったら、その一文に立ち返って軌道修正しましょう。
読者像を“ひとり”に絞る
「誰に向けて書くか?」を具体的にイメージするのも重要です。たとえば「30代女性で、ブログ初心者、自分の考えを発信したいけど空回りしがち」というように、ひとりの読者を思い浮かべると、必要な言葉だけが浮かび上がってきます。
ロジックで支える──価値→根拠→結論
読者に伝わる文章は、感情よりも構造で作られます。おすすめなのは以下の3ステップ:
- 価値:読者にどんなメリットがあるか
- 根拠:なぜそれが大切なのか、事実や体験を添える
- 結論:どうすべきか、明確な提案で締める
たとえばこの記事であれば、
- 価値:ふざけずに書けると信頼感が増す
- 根拠:冗談が多すぎると本音が伝わらない
- 結論:構造を意識しよう
という流れになります。
推敲で“ギャグ掃除”──書くときは自由、整えるのは後
面白くなっちゃう気持ち、わかります。でも、それを残すかどうかは推敲で決めましょう。
初稿は自由に書いてOK。あとで以下のようにチェックします:
- 笑いを取るためだけの表現に黄色マーカーを
- 「この一文、なくても意味が通じる?」と自問
- 本当に伝えたいことがブレてないか確認
こうして読み返すと、意外と削れる部分が見つかるものです。
文体を整える──“統一”で信頼感アップ
「です・ます」と「だ・である」が混在していると、読者は違和感を覚えます。ふざけた印象にすらなりかねません。
まず自分の書く文体を一貫させること。最後に「全置換」機能を使えば簡単に整います。「〜ですよね?」のような馴れ馴れしい語尾も要注意。
シンプルに、メッセージを伝える
「1文1メッセージ」「1段落1テーマ」。これを意識するだけで、グッと引き締まった文章になります。
文が長くなったら、一度読点の数を見てみましょう。2つ以上あるなら、文を分けて整理すると読みやすくなります。
冷却・音読・ツールで仕上げる
文章を書いた直後は、テンションが乗っていて見落としがち。いったん30分ほど放置して、頭を冷やしてから音読してみましょう。
- 音に出すとムダな言い回しが浮き彫りになる
- 「文賢」や「Grammarly」などのツールで文法チェック
- 誰か第三者に読んでもらうと客観視できる
特に「ここ、笑わせにきた?」と指摘してもらえると、効果的な“ギャグ掃除”ができます。
まとめ:真面目な文章も、テクニックで書ける
ふざけずに文章を書くのは、気合や我慢の話ではなく、テクニックです。
ゴールを明確にし、読者を具体化し、ロジックと構造で支える。そして、書いた後に丁寧に整える。これを繰り返すことで、“伝わる真面目な文章”は自然と書けるようになります。
そして何より、「ふざけたくなる自分」を否定せず、最後に見直す勇気を持つこと。それが、ふざけずに書く一番の近道かもしれません。