- はじめに:Excelの小数点処理に悩んでいませんか?
- 小数点を切り捨てる関数3選
-
=C4/12
の場合に使うべき関数は? - 各関数の動作比較表(負の数の注意点)
- 関数選びで失敗しないためのポイント
- おわりに:覚えておくべきおすすめ式
はじめに:Excelの小数点処理に悩んでいませんか?
「Excelで計算すると小数が出てくる…でも、整数だけ欲しいんだけど!」そんな場面、誰でも一度は経験あると思います。
たとえば、家賃の年額を月額に換算したいとき、
=C4/12
のように割り算をすることがありますよね。ですが、この結果が “2.083333…” のように小数になってしまい、見た目も悪いし、資料としても微妙…。
そんなときに使えるのが、小数点以下をバッサリ切り捨てる関数たちです。
今回は、初心者でも迷わないように、それぞれの関数の違いと使い分けを丁寧に紹介していきます!
小数点を切り捨てる関数3選
Excelには、目的に応じて使える「小数点以下切り捨て系」関数がいくつかあります。その代表格がこちらの3つ:
① ROUNDDOWN関数
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)
これは、指定した桁数以下を切り捨てるという万能選手。桁数に「0」を指定すれば、整数に切り捨てることができます。
=ROUNDDOWN(C4/12, 0)
→ このようにすれば、計算結果の小数点以下を全てカット!「とりあえず切り捨てたい」という場合にはこれ一択。
② TRUNC関数
=TRUNC(数値, 桁数)
実はROUNDDOWNと似ていますが、TRUNCは負の数の処理が優しい。
- ROUNDDOWN:負の数も問答無用で下へ切り捨てる
- TRUNC:負の数は”0″に近づける方向で切り捨てる
この違いがあるので、正負混在のデータ処理ではTRUNCの方が使いやすいです。
③ INT関数
=INT(数値)
シンプルに「整数部分だけ取り出す」関数。書き方もカンタンなので、使っている人も多いです。ただし!
INT関数の最大の落とし穴は、負の数で”思ったより小さくなる”こと。
たとえば =INT(-2.08)
は -3
になります。これは意図しない計算ミスの原因になりがちです。
=C4/12
の場合に使うべき関数は?
ここで本題。「C4の値を12で割った結果を整数で出したい」とします。
一番のおすすめはやっぱり:
=ROUNDDOWN(C4/12, 0)
次点で、負の値も含むなら:
=TRUNC(C4/12, 0)
どうしても関数を簡略化したい人は =INT(C4/12)
も使えますが、前述の通り「負の数があるとミスる」ので注意してください。
たとえば、
C4 | 計算結果(C4/12) | INTでの結果 |
---|---|---|
25 | 2.08 | 2 |
-25 | -2.08 | -3(←落とし穴) |
各関数の動作比較表(負の数の注意点)
C4 の値 | C4/12 | ROUNDDOWN | TRUNC | INT |
25 | 2.08 | 2 | 2 | 2 |
-25 | -2.08 | -2 | -2 | -3 ←NG |
このように、ROUNDDOWNとTRUNCは、ほぼ同じ挙動ですが、INTはちょっとクセがあります。
関数選びで失敗しないためのポイント
小数点の切り捨てでやってはいけないのが、「なんとなくINTを使ってる」こと。
関数選びのコツとしては:
- ROUNDDOWN:迷ったらこれ。正負問わず安定。
- TRUNC:特に負の数を含むときはこちらがベター。
- INT:正の数だけならアリ。ただし負の数には気をつけて!
また、見た目だけ切りたいなら「表示形式」で小数点以下の桁数をゼロにする方法もあります。ただしこれだと「実際の値は残っている」ので、計算には注意。
おわりに:覚えておくべきおすすめ式
この記事で紹介した関数のなかでも、実務で最もよく使うのは以下の2つです:
=ROUNDDOWN(C4/12, 0)
=TRUNC(C4/12, 0)
割り算後に「小数点以下を消したい」だけなら、ROUNDDOWNが一番使いやすくて、覚えておくとかなり便利。
地味に見えるこの小数処理、実はデータ分析や資料作成での信頼性を左右する重要なポイントです。
ぜひ今回の内容を参考に、自分のExcel関数スキルをアップデートしていきましょう!